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そんしょうざん ほうじゅうじ村松山 法重寺

東京・築地。築地本願寺のすぐ隣に位置する法重寺。前の通りをオフィスで働く人や、さまざまな名所やお店に向かう人たちが賑やかに行き交う。日本文化に触れようと、この土地を訪れるさまざまな国からの観光客の楽しそうな声が、あちらこちらから聞こえてくるのも特徴的だ。
1657(明暦3)年、築地本願寺が日本橋横山町から築地に移る際に、ともにこの地にやってきた法重寺。以来、受け継がれてきた守るべきものを守り、同時に時代に求められるものを積極的に取り入れ、独自に提案しながら、歴史を積み重ねている。

歴史

法重寺は1591(天正19)年、江戸の村松町に空了によって建立された。はじめは真言宗に属していたが、後に浄土真宗に帰依。1617(元和3)年、築地本願寺が京都の西本願寺の別院として日本橋横山町に建立されるにあたり、法重寺も同地に移る。当時別院の周りには地中寺(大寺の境内にある寺)が18カ寺あったと言われている。

1657(明暦3)年の大火事で、別院やその周りの地中寺すべてが焼失したのをきっかけに、別院とともに現在の築地に移り、寺基を定めた。その後、幕末明治維新までの間、数度にわたり火事・地震に見舞われた。また、1784(天明4)年の火災や関東大震災などで焼失などの難を受けたが、その度にご門徒様や歴代の住職の力によって再起を果たしている。1929(昭和4)年、区整のために境内を減地されたが、墓地を特設し仮庫裡を新築して本尊を安置。1975(昭和50)年には近代的なスタイルの本堂が完成し今に至る。築地移転時に58カ寺あった地中寺のうち今に残る5カ寺のひとつ。

寺内には、1598(慶長3)年製作の大鏧(だいきん:寺院で用いる法具)や、江戸時代後期の琳派の画家、酒井抱一が描いた「絹本着色白梅図」(ともに区民有形文化財に指定)などがあり、法重寺の長い歴史を物語っている。

住職インタビュー 

住職:南條 了瑛 師(なんじょうりょうえい )
■幼い頃から「面白い」「好きだ」と感じていた浄土真宗の教え

寺で育ち、幼い頃から父の様子を側で見て、ご門徒様と接してきましたから、小中学校の頃には、将来はこのお寺の住職になるのだという自覚があり、そのことを自然に受け入れていました。そこには、私自身が仏教をおもしろいと感じ、また浄土真宗の教えが好きで、自分に合っていると思っていたことが大きかったと思います。浄土真宗のみ教えは、人間の弱い部分をそのまま受け止めてくれます。頭でわかっていてもそうできないことや、理屈だけではうまくいかないことなど、リアルな部分をきちんと拾ってくださり、無条件で受容してくださる仏様だということを、私自身が救いに感じていたのだと思います。

高校卒業後は京都の仏教を学べる大学に進学。そこで、同様に将来僧侶になる学友たちと出会い、仏教について共に学べたことは今でも私の宝ですね。その後、「開かれたお寺」「地域に根ざしたお寺」の活動に関心を持ち、同大学の大学院、実践真宗学研究科に進みました。

■古くからのご門徒様を大切にしながら、新しい出会いも

「開かれたお寺」への関心から学びを進め、ここで坊守とも出会いました。当時私が理想としていたことは、実際に住職になる過程で少しずつ変化し、今はまず、ご門徒様に寄り添うお寺でありたいという思いを強くしています。しかし同時に、仏教や浄土真宗の教えを身近に感じてもらいたいという思いもあり「TERAKOYA(寺子屋)」を運営。インスタグラムなどのSNSツールを用い、広くお寺の門戸を開いてきました。

「TERAKOYA」では、聖典講座や、小さな子どもとお母さんに向けた音楽教育法「リトミック教室」、寺子屋音楽教室「ソルフェージュ教室」などを開講。これまであまり仏教に触れてこなかった子育て世代の皆さんがお寺を訪れるきっかけの場にもなっています。

また、坊守が直接お話しながら描く参拝記念イラストも大変人気で、こうした場をきっかけに聖典講座に起こしいただく人もおられ、うれしく感じています。

外国人に仏教を伝える活動

築地という土地柄、多くの外国人観光客や、日本に住む外国ルーツの方々が訪れます。そうした人々に仏教や浄土真宗を伝えていくことは、これから必ず力を入れていくべきことだと考えています。私自身、学生時代には米国バークレーの米国仏教大学院に1年間留学し、今は築地本願寺で外国人のための「英語法座」を企画運営しています。ゲストスピーカーと連携しつつ、私自身も英語で法話を行っています。また、英語は個人的にも好きで、ライフワークにしたいと考えています。大学では英語で仏典を読む講義を担当し、築地本願寺新報では英語記事の連載も続けさせていただいています。さらに法重寺でも、インバウンドの方がお寺を体験できるような企画を検討しています。例えば、マインドフルネスや「正信偈」のお勤めなどを通じて、気軽に仏教に触れていただける場を設けたいと考えています。

■「ペット墓」を仏縁に出会っていただくきっかけに

もう一つ、ご門徒様や時代の要望を受けて取り組むことになったのが「ペット墓」です。あるとき、ペットを供養したいという思いを持つ方からお問い合わせをいただきました。浄土真宗は生きとし生けるものすべてを救う阿弥陀如来の本願を私ごととして聞く教えです。亡くなったペットをご縁にお経をあげさせていただいた際、その方がボロボロと涙を流される姿を目にし、ペットが飼い主にとって家族同然の存在であることを強く実感しました。その出来事が、ペット墓を整えるきっかけとなりました。今後、このペット墓を通して少しでも多くの方が仏縁に出会い、浄土真宗の御教に触れていただければと願っています。

お寺というのは、どなたにとっても開かれた場所です。これからもご門徒様とともにある法重寺であることを大切にしながら、同時に多くの人がみ教えを知るきっかけの場となるよう努めていきたいと思います。

葬儀、法事・法要

通夜や葬儀はご門徒様がご家族を思う大切な場です。私自身も真摯な心持ちで取り組んでいます。また、法話などをさせていただく際は、仏様のお話を取り次ぐ身として、私も皆様とともに仏様の教えを仰いでいくという気持ちを大切に行っています。

お墓

【ペット専用納骨墓】
納骨料金 無料
年間管理費 無料

法重寺のペット専用納骨墓は、ペット供養のための納骨墓ではありません。
お納骨をご縁にご家族が仏教に出遇うためのお墓です。
ですので、お納骨自体に料金は必要ありません。

お納骨を通して、手を合わせる時間を大切にしていただきたいと思います。

詳細は直接ご相談ください。

【総墓(合同墓)】
法重寺の総墓は、個別保管と合同保管がございます。

■合同保管
お申込の際に納骨冥加金25万円をお納めいただきます。
ただし、同一家族の場合、2度目以降の冥加金は10万円です。

■個別保管
法重寺総墓の内、一定期間個別にお骨を保管させていただく「個別区画(6年)」および「個別区画(32年)」をご用意しております。お申込の際に、納骨冥加金(6年:40万円、32年90万円)をお納めいただきます。

・生前に申し込んでおくこともできます。
・分骨もお受けいたします。
・納骨された方のお名前はプレートに刻みます。
・毎年一度、合同の追悼法要をお勤めします。
・おひとり(家族ではなく個人単位)でのお申し込みも可能です。
・管理永久不要です(法重寺が責任もって管理します)。
・各種法事対応可
・過去の宗教宗派は問いません。

詳細は直接ご相談ください。

イベント情報

年中行事(3月、5月、7月、9月、12月)

5月:永代経法要
7月:盂蘭盆会
9月:秋季彼岸会法要
12月:報恩講
3月:春季彼岸会法要 など

お子様の初参式(はじめてのお寺参り)やめぐみの参拝(七五三)など、成長の節目の記念参拝も承っています。

HOJYUJI TERAKOYA(随時)

聖典講座
リトミック教室
墨画・習字教室
ソルフェージュ教室
参拝記念イラスト
ハスワークなどを行っています。

寺院情報

寺名(ふりがな) 村松山 法重寺 (そんしょうざん ほうじゅうじ)
住職 南條 了瑛(なんじょうりょうえい )
郵便番号 104-0045
住所 東京都中央区築地3-17-10
電話番号 03-3541-0947
FAX番号 03-3541-0985
E-Mail tsukiji.hojyuji@gmail.com
ホームページ https://www.hojyuji.com
交通

東京メトロ日比谷線・築地駅下車 徒歩3分

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