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せいうんざん こうりんじ晴雲山 髙林寺

JR常磐線北松戸駅から約1キロの場所の場所。寺の入口には、春になると見事な花を咲かせる桜の木が佇み、丁寧に手入れされた草花と穏やかな雰囲気が出迎えてくれる。

お寺を地方から都市へ移転するという動きが起きていた当宗派の流れに先立ち、島根県出身初代住職が建立。以降法話を柱に、初心者が仏事作法を学べる入門講座や子ども会、またボランティアなど、ご門徒さんや地域の方々が集まる交流拠点としても親しまれている。

僧侶だからという高見には決して立たないようにと思いながら、浄土真宗の僧侶とは何なのかということに対し、いつも迷いながら向き合っているという現住職。「法話を大切にし、いつも皆様と一緒に考える立場にありたい」という志の下、今日も人々に阿弥陀如来の御心を伝えている。

歴史

髙林寺の歴史は、島根県に始まる。寛文年間(1661年~73年)に、大田町(現島根県大田市)の「正藏坊」の僧侶・願長が隠居して山中字堀越に草庵を作り、地方門徒の法要を営み、念仏を伝える道場として髙林寺を開山したことが始まりとされている。

松戸髙林寺は、第12代・智憧の長男である厚信が、本願寺築地別院に奉職していた時に、ご門徒から東京近辺に本願寺の寺院の少なさを憂う声を聞き、松戸市に髙林寺の看板を掲げたのがはじまりとなる。御本尊は第2次大戦によって焼失した神戸のお寺からお迎えした。土中に埋められ戦禍を逃れたため、黒いお姿となっている。昭和62(1987)年に現在の本堂が落成した。松戸髙林寺初代住職となった厚信は、知り合いのいない未知の土地で、講演会や法話会などの活動を積極的に実施し、着実にご門徒を増やしていったという。

現住職は、平成25(2013)年に法灯を継承した第2代・菅原智之氏。継承時には記念事業として、本堂屋根瓦の銅瓦化や寺号石碑建立、境内地や駐車場の整備が行われた。

住職インタビュー

■好きな言葉は「必至無量光明土 諸有衆生皆普化」

『正信偈』のお言葉です。「阿弥陀様のお力によってお浄土に必ず生まれていく、すべてのものは阿弥陀如来の大きな願いの中にある」という意味を持つこの言葉を大切にしています。

身近な方を亡くされたり、ご病気の時に感じることは、「ずっと頑張ってきたのになぜこんな目に遭わなければならないのか」というものではないでしょうか。これを埋めることができるのは、亡くなった後にお浄土に行けるということではなく、私の出来事の全てが尊いという、私をそのままに認めてくださる阿弥陀如来の眼差しでしょう。

自身の歩んだ道を改めてふり返るとこの言葉に対する味わいがより深まり、このみ教えに出遇えたことに益々感謝の念を抱きます。「悲しみは変わりませんが、その悲しみは決して無駄ではない。私の生まれてきた、そして生きてきた意味は、悲しみの中にもある」という阿弥陀如来の救いの御心をお伝えさせていただきたいと思っています。

■仏教とは、自分の殻の外にある、新しい価値観を知るということ

仏教と出会うことで、あなたが思い描いている価値観だけがすべてではない、ということを知っていただきたいと思います。私達は、「自分はこんなものだろう」という殻を作ってしまうことが多く、昨今はその殻がより小さくなっているように感じます。

私達の苦しみは多くが自分が作り出したものです。それを自分の小さな殻の中に閉じ込めるから苦しみとしか思えないのですが、そうではないという眼差しがあるということに出遇ってほしいのです。当寺は、そういう出遇いのある場にしたいと日々努めています。

■社会活動も精力的に行う日々

僧侶になったばかりの頃に阪神淡路大震災が起きました。とても衝撃を受け、先輩の僧侶と一緒に神戸へ行き現地の方の悲しみと苦しみに触れさせていただきました。物資を現地へ運び届けていく中で、本当に困っている人がいるのに素通りすることは、僧侶として、人間としてあってはいけないことだと感じ、そういった活動を続けていきたいと思ったんです。

NPO法人アーユス仏教国際ネットワークという団体の活動に参加している先輩からお声掛けいただき、AIDSの方を見守るタイの僧侶の方々と出会い再び衝撃を受けました。そのことをきっかけに、アーユスの会員となって今は団体の理事を務めています。神戸以来、震災や天災が多かったですから、何か起こった時には、身が空いていればそこに寄り添いたいと思っています。活動の一つとして、いまだ大変な状況にある福島に年1回赴き、出張法話会をさせていただいています。

葬儀、法事・法要

菅原氏は「人は、大切な方の死についても単なる“死亡”にしてしまっていることがありますが、死というものはそういうものではありません」と語る。

浄土真宗では、『大切な方の死とは、仏となったといただいてゆくことであり、私が、先達に育てられ、導かれていくこと』と説く。

「私達は死という敗北に向かって歩んでいるのではなく、都合の良いことも、悪いことも含めて私という人生作品を完成させていくために歩ませていただいているのだという、仏様の眼差しをいただく。悲しみを通して、この教えに出遇っていただくことが大切なのです」

仏様との出遇いは、人生観が変わる出来事。そのため、丁寧な仏事作法をもってお勤めをし、特に当寺では法話にとても力を入れている。

■葬儀について
・お寺での葬儀も可能(門徒に限る)
・控室あり、食事の手配も可能

イベント情報

法話の集い(第3水曜日 午後1時30分~3時30分 ※2020年4月より)

浄土真宗伝統の法話会。み教えの言葉を味わう集い。講師とともに阿弥陀如来のお心に出遇わさせていただきます。

納涼会や忘年会なども開催。

恒例法要(年6回)

・元日法要

・春秋お彼岸法要

・お盆の法要

・宗祖降誕会

・永代経

・報恩講

日曜礼拝(第1日曜日 午前10時~10時50分)

月初めのお経と法話の集い

壮年会(月1回 午後3時30分~5時30分)

法話を受け、話し合い等でみ教えを学ぶ

コーラスおんちくらぶ(月2回(主に第2・4)木曜日 午前10時~12時)

コーラス指導のプロ、則松三千代先生の下、唱歌や歌謡曲、仏教讃歌などを本堂で練習。各所で発表会も行っている。現在会員は約15名。約20年続くサークル。

月謝1,500円、見学自由。

浄土真宗入門講座(第3土曜日 午後1時30分~3時30分 隔年4月から開催、全6回)

仏事作法の基本とお経の練習、仏教と浄土真宗の教えを、参加者同士で話し合いを交えながら学ぶ講座。

子どもお泊まり会(夏休み期間中 1泊2日)

夏休みの期間中に開催される、子どもを対象としたお泊まり会。お寺に寝泊まりしながら、法話を聞いたり基本の仏事作法を体験できる他、花火やプールなどで遊ぶなど楽しいことが目白押し

参加対象は、小学生(一人で泊まれること)。参加費は、1,200円

寺院情報

寺名(ふりがな) 晴雲山 髙林寺 (せいうんざん こうりんじ)
住職 菅原 智之(すがはら ともゆき)
郵便番号 〒271-0064
住所 千葉県松戸市上本郷4464
電話番号 047-368-7456
FAX番号 047-368-7456
ホームページ http://kohrinji.la.coocan.jp/00-menu.htm
交通

JR常磐線「北松戸駅」徒歩18分
新京成線「松戸新田駅」徒歩12分

バス北松戸駅東口から 「総合医療センター」 又は 「県立松高前」 行きバス乗車→バス停4つ目 「運動公園」 下車すぐ前(7分)

駐車場 約30台
地図