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しょうふうざん ほんがくじ松風山 本覺寺

JR安房鴨川駅から徒歩15分ほど。賑やかな市街を離れ、小高い山を登っていくと、豊かな緑に囲まれた本覺寺と出合う。境内に入ると、40mはあろうかという2本の銀杏の木が参拝者をお出迎え。紅葉の時期には、鮮やかな黄色の葉が、境内を彩り、訪れる者の目をくぎ付けにする。また、海沿いの高台に立地しているため、太平洋の広大な眺望も味わえ、爽快な気分だ。湧水を汲み出す井戸や、6月の紫陽花など、見どころも多数。季節によって違った趣を楽しめる寺院である。

歴史

本覺寺の歴史は古く、火災や戦争などの影響で幾度か焼け落ちたことがあることから、正確な歴史を知ることはできない。ただ、平成15(2003)年に住職を受け継いだ小林則子氏は、大規模な改修に伴い寺院内の整理をしていたところ、8代目住職が記した書物を発見。そこに書かれていた内容によれば、開基は400年以上前だということがわかった。

ちなみに、現在の本堂は昭和57(1982)年に造られたもので、その前は明治に一度焼け落ちてから、長らく仮本堂だった時期が続いていたという。また、現在の西墓地があった場所には戦時中は防空壕があり、当時は多くの住民が戦火から逃れるべく、避難してきた。小林氏は、当時を知る門徒から「銀杏の木には、爆弾の破片が貫通して穴が空いていた」と聞いたことがあるというが、現在、その穴は見当たらない。樹木の回復力でふさがったのか、それらしいくぼみが残っているだけだ。

平成16(2004)年に行った改修工事では、地盤改良も施し、それまで庭だった部分に客間を移動。それぞれ独立していた本堂とも内部でつながり、参拝客が訪れた際に行き来が楽にできるような造りにした。遠い昔から、人々の生活の中心にあった寺の形を現代に残さんとする、小林氏の願いも込められている。

住職インタビュー

■訪れた方を心から迎えれば、そこに寺のあるべき姿が見えてくる

私は、鴨川のこの地に生まれ育ち、当寺や街とともに生きてきました。そんな私が住職としてお勤めをする中で常に考えていることは、お寺は常に開放的であれということです。

この考えは、幼き頃に祖母から伝えられた言葉が大きく影響をしています。私が物心ついた時には、祖母はすでに病床に伏していましたが、そこへ訪れ祖母と話をし、帰りに本堂でお参りをしていく人は非常に多くいらっしゃいました。おそらく、来てくださった人々は、祖母の顔を見て安心し、些細な雑談をすることで豊かな気持ちになり、どこか、寺を心の拠り所にしていたのだと、今になって思います。そして、そんな光景を眺めていた私に、祖母は繰り返し「暑い時には、涼しい風を向け、寒い時には、暖かい手あぶりを差し出しなさい」という言葉を伝えてきました。寺まで足を運んできた方から求めていることを汲み取り、与えることを大事にすること。祖母から教わったその心持ちを忘れずに、今も毎日を過ごしています。

 

■常に気軽に来られる場所。それを目指して様々な取り組みを

とはいえ、現実にこの界隈は住民の数が減る傾向にあり、寺を訪れる方の数も年々少なくなってきています。しかし、だからこそ多くの人に寺のことを知っていただき、気軽に来ることができる場所だと伝えたく、色々なアイデアを出し、取り組みを行っています。毎年の報恩講では、近隣のお寺の住職と連携をとり、一緒に努めることで門徒さんの行き来が生まれたり、春と秋の彼岸の時期には、本堂で音楽の演奏会や落語家の公演、フラダンスなどを行ったりもしています。当寺がこうした活動を行うことで、周囲の寺もイベントを企画し、実施するところが増え、界隈の寺が全体的に活気が出てきたような気がします。

祖母が生きていたころは、参拝に来たついでに昼寝をしていく方がいたくらい、寺は人々の生活に溶け込んでいたように見えます。私が今、目標としているのも、そんな雰囲気の寺です。特別な用事がなくとも、どなたでも、ぜひ気軽にお話をしにきてほしいと願っています。

葬儀、法事・法要

小林氏は、葬儀に対して「絶対に手を抜くことができない」と語る。それは、遺族にとっても、自分にとっても、たった一度しかないお別れの瞬間に居合わせる責任感からだ。そして遺族に「亡くなったことで終わりではない。またいつか、会える世界がある(倶会一処の世界)」ということを必ず伝える。また、葬儀自体はホールで行うことが大半だが、依頼があれば本堂で行なうことも可能だ。

お墓

境内に東墓地と西墓地があり、現在も新規で建てることはできる。また、閉門時間を設けていないので、お参りは基本的にいつでも可能。線香は本堂の入り口にあり、賽銭を入れて受け取る。

ご本尊の阿弥陀如来さまにご挨拶をどうぞ忘れずにお参りください。お寺には誰かいますのでお声を掛けてくださるとありがたいです、と住職は話す。

【一般墓】
初期費用:15~30万円(区画の広さによる)
護寺会費:8,000円
環境整備費:5,000円

【合葬墓】
初期費用のみ:30万円(後は費用等一切掛かりません)

【納骨堂】
一時預かりのみ:3万円(年間)

イベント情報

報恩講法要(毎年10月下旬)

浄土真宗開祖・親鸞聖人の命日の前後に営まれる法要。法話を聴き、自らの信仰を学び直すとともに、親鸞聖人への恩に報いるべく、幸せへの道を見つけることが目的とされている。近隣の寺院の住職とともに勤める。

春・秋 彼岸法要(毎年3月中旬・9月中旬)

各法要にて法話を聴くのはもちろんのこと、日舞や合唱、フラダンス、落語など様々な催し物を企画し、本堂にて披露する。遠方からはるばる観に来る人もいるのだとか。

暁天法座(毎年7月13~15日の朝)

本堂にて法話を聴き、その後客間で朝ご飯を食べる。小林氏によれば「朝ご飯は、どなたでもどうぞ」とのこと。

寺院情報

寺名(ふりがな) 松風山 本覺寺 (しょうふうざん ほんがくじ)
住職 小林 則子(こばやしのりこ)
郵便番号 296-0004
住所 千葉県鴨川市貝渚3107
電話番号 047-7092-0704
交通

【電車】

JR外房線・内房線 安房鴨川駅から徒歩15分

JR内房線 太海駅から徒歩19分

駐車場 境内・外合わせて約20台
地図