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りゅうすいざん じょうけんじ柳水山 淨見寺

江戸時代初期の開山から約400年続く淨見寺。長きにわたり築地本願寺の寺中寺として活動を続けてきた歴史を持つ。杉並の現所在地に移転したのは昭和初期のこと。近隣住民と親交を重ね、この地域での活動も90年を超す。

淨見寺はこれまで幾度となく火災に見舞われた記録が残る。けれどもその度に門信徒や当時の関係者たちの努力で再興を果たし今に至る。

法務は主に木下成芳氏が務め、法要後の食事やお茶会などにて、世間話をしながら気軽に相談に乗るスタイルは、周囲からの厚い信頼と安心を得ている。他にも門信徒専用のペットのお墓を設置したり、朱印帳に貼る参拝記念紙の配布を始めたり、時代にあった活動も進めながら、仏教の教えを広めている。

歴史

当寺は、慶長15(1610)年2月に京都市伏見区深草の地に開創。その11年後の元和7(1621)年には、築地本願寺の前身である江戸浜町御坊の寺中寺として移転。明暦3(1657)年に起きた大火事によって御坊もろとも焼失するも、御坊が築地本願寺として建立されると共に寺中寺として再起する。

その後、三度火災に見舞われ、その度に復興し、さらに大正12(1923)年の関東大震災で罹災すると震災後区画整理事業のため、現在地へ移転。今度は昭和20(1945)年の空襲によって全焼するも、昭和35(1960)年に本堂を再建し6度目の復活を遂げる。

そんな幾度の災害から教訓を受け、裏手の墓地には、災害用の手押し井戸ポンプを設置。近年多発する自然災害によって起こる火災や断水などの緊急時には、困っている近隣住民の役に立てるよういつでも備えている。

戦災以後は、安穏な日々が続いており、この場所から世界の平和を願い続けると共に、この地域に密着したお寺さんとして親しまれている。

僧侶インタビュー

愛着とご縁を感じる杉並の街

私が仏教に関わるようになったきっかけは、幼少の頃に遡ります。もともと出身は福島県相馬市で、その地域には浄土真宗のお寺が多く、祖父母が所属寺の総代を務めるほど熱心な門信徒だったので仏教に触れる機会が自然と多かったんです。

そんな祖父母や両親の後押しもあって、いつしか僧侶を目指すようになり、得度後は築地本願寺で13年間勤めました。そのうちの9年間は、浄見寺と目と鼻の先にある和田堀廟所にいましたので、この地域で長く過ごしており、とても馴染み深いんです。今では故郷のように愛着を持っています。

淨見寺は築地本願寺和田堀廟所と同じ浄土真宗本願寺派でしたし、ご近所のよしみということで何度もお手伝いさせていただく機会がありました。それがきっかけで浄見寺のご住職からお声がかかり、後継として務めるようになりました。

 

世間話のお相手から始まる僧侶の役目

この地域は、一軒家が立ち並び、古くからそこに住まわれている方が多いです。パートナーに先立たれ、一人で家を守っているという方も少なくありません。一人暮らしや老後の生活に不安を抱えている方もたくさんいて、少しでもその悩みを和らげられるよう、話し相手を買って出ています。

葬儀や法要などお勤めの時は、静粛とした場に遠慮してなかなか思い切ってお話できない方もいます。ですから私は、お食事やお茶会の席で親しみやすくフレンドリーに、気軽に会話する中で相談を聞き出すことを努めています。

小さな風邪を引いたら病院ではなく薬局へ行きますよね。お寺もそんな身近な存在でいられたらいいなと思うんです。宗教とか清浄な場所だからというよりも、小さな悩みがあったらまずは相談できる場としてあることを心がけています。

葬儀、法事・法要 

淨見寺では門信徒との縁を何よりも大事にしている。そのため葬儀や法要では全国どこでも駆けつける。

過去には、この地域から郊外や県外に引っ越した方などの法要を勤めた事例で、神奈川、千葉、埼玉、茨城へ赴いたことがある。

中でも東日本大震災時の影響で、岩手から杉並に移住してきた門信徒の葬儀では、多くの知り合いが岩手在住のため、どうしてもそちらで葬儀をあげたい、との要望に快諾した。

その門信徒が長年暮らした地縁をも慮る、大変稀有な存在であることが伺える。

お墓 

本堂の裏手に設けられている墓地は、高速道路や甲州街道の騒音も気にならないほど閑静な空間となっている。周囲は緑豊かな植栽に囲まれ、春には枝垂れ桜やソメイヨシノの大木が美しい花を咲かせる。また書家・狂言師として江戸時代後期に活躍した中井董堂や創建以来400年続く門信徒の古い墓があり、歴史深い荘厳な雰囲気も兼ね備えている。

 

現在、新規墓地の申し込み受付可能。※利用条件や詳細についてはHPにてご確認ください。

 

また近年、新たな試みとして門信徒専用のペット永代墓も設置。納骨時の墓前読経のお布施のみで、管理料や永代使用料は無料。利用する場合、骨壷を専用の棚に安置、または散骨での埋葬となる。遺骨を安置した場合、納骨室はいつでも見ることが可能。

イベント情報

永代経法要(春分の日、秋分の日)

永代経とは永代読経の略。つまり永代経法要とは、末長く浄土真宗の教えを繋ぎ、故人を偲び、だけでなく子孫にもお念仏のみ教えが伝えられることを願う法要のこと。

寺院情報

寺名(ふりがな) 柳水山 淨見寺 (りゅうすいざん じょうけんじ)
住職 衆徒:木下 成芳 きのした しげよし
郵便番号 168-0064 
住所 東京都杉並区永福1−6−9
電話番号 03-3321-3520
ホームページ http://www.jyoukenji.net/toiawase
交通

【電車】

京王線・井の頭線「明大前」駅より徒歩10分

京王線「下高井戸」駅より徒歩7分

 

【車】

新宿方面より:首都高永福インターを下りて2本目の信号を右折後、1本目の道路を右折し数百メートル

調布方面より:首都高永福インターを下りて1本目の信号をUターン。2本目の信号を右折後、1本目の道路を右折し数百メートル

駐車場 4台
地図