当寺は、慶長15(1610)年2月に京都市伏見区深草の地に開創。その11年後の元和7(1621)年には、築地本願寺の前身である江戸浜町御坊の寺中寺として移転。明暦3(1657)年に起きた大火事によって御坊もろとも焼失するも、御坊が築地本願寺として建立されると共に寺中寺として再起する。
その後、三度火災に見舞われ、その度に復興し、さらに大正12(1923)年の関東大震災で罹災すると震災後区画整理事業のため、現在地へ移転。今度は昭和20(1945)年の空襲によって全焼するも、昭和35(1960)年に本堂を再建し6度目の復活を遂げる。
そんな幾度の災害から教訓を受け、裏手の墓地には、災害用の手押し井戸ポンプを設置。近年多発する自然災害によって起こる火災や断水などの緊急時には、困っている近隣住民の役に立てるよういつでも備えている。
戦災以後は、安穏な日々が続いており、この場所から世界の平和を願い続けると共に、この地域に密着したお寺さんとして親しまれている。