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あだちざんそうがんじ足立山宗願寺

茨城県古河市の宗願寺は、親鸞聖人の高弟「二十四輩」の一人、聖人の関東教化を案内した西念房が開いた寺。江戸の香りを残す城下町の町並みの中、住職が「雨が降るとさらに趣深くなる」という緑に囲まれた境内に、静かに本堂が佇む。
桐朋学園大学音楽部出身で音楽家である住職は、2013年に築地本願寺合唱団の指揮者に就任。現在も音楽を通じて仏法の教えを伝える「仏教讃歌」を多くの人に指導し、2019年には
京都西本願寺御影堂で行われた合唱大会「本願寺音御堂」で音楽法要の導師と合唱の指揮を勤めた。
先代住職の「お寺はみなさまの実家」という考えを受け継ぎ、門徒が集まる聴聞の場として、また人々に喜びを与える場所となるようにバザー、花祭り、音楽コンサートなどのイベントを開催。門徒だけではなく、地域の人々の憩いと交流の場ともなっている。

歴史

宗願寺の開基は建保5(1217)年、二十四輩の一人、西念房による。当初は武州足立郡野田(現さいたま市緑区)に創建された。西念房はもと信濃国高井郡井上を本拠地とする
井上氏の出身で、井上氏は八幡太郎(源)義家の子孫であり、源平合戦でも活躍した人物である。
西念坊は、鎌倉前期の承元3(1209)年、越後の国府におられた親鸞聖人に入門。その後、建暦元(1211)年11月に赦免になった親鸞聖人の関東教化に随行し、案内した。
聖人が武蔵国足立郡野田(現さいたま市緑区)に滞在した際、草案を結んで教化を始めたのが宗願寺のはじまりで、「武州惣道場」として武蔵国の教化の中心を担った。山号の
足立山、院号の野田院はそれに由来する。
親鸞聖人ご往生となる正応3(1290年)年には、親鸞聖人の曾孫である覚如上人が関東の聖人の遺跡を廻られ、107歳の西念房が案内役となった。当寺はその際に描かれた開基・西念房と覚如上人、その父・覚恵上人の3人連座の御影の掛け軸を蔵している。西念房は翌年108歳にて往生した。
建武2(1335)年、第3代西祐の時に戦火を避けて野田を出、上州邑楽郡の法福寺に疎開。その後、家永元(1455)年に下総の古河に移り、足立山野田院宗願寺と称して現在に至っている。
3人連座の御影の掛け軸の他、親鸞聖人45歳の像と言い伝わる木造親鸞聖人像(茨城県指定文化財)、木造阿弥陀如来立像(市指定文化財)がある。
また、日本初の公害事件・足尾鉱毒事件を世に問題提起した田中正造が当時の住職と親しく、明治44(1911)年、請願書執筆のために当寺に宿泊した。
前住職の義兄、直木賞作家・和田芳恵の墓もあり、和田はこの寺で執筆活動をしたこともあった。

住職インタビュー

音楽の経験を活かして

前住職が祖母、副住職が伯母でこのお寺に育ち、学生時代は音楽大学で声楽とピアノを学んでいました。23歳の時には音楽出版社と契約し、ポップス、クラシック、作曲家と様々な音楽活動を行っていましたが、当時住職の祖母が歳をとり、法要中に立てなくなったりする事がありました。
長男でしたし、お寺に育ててもらった思いから築地の東京仏教学院に入学し、25歳で京都で得度、28歳で住職になりました。今はこのお寺の住職と音楽家を両立しながら生活しております。
少年院の教誨師もしていますが、教える立場だという事を意識し過ぎず、小さな事でも大きな事でもお互いが話し合える関係を築く事が大切だと思います。これはお寺にも言える事だと思います。そしてそれを続けていくよう心がけています。
バザーや子供会、コンサート、編み物教室などのイベントも開催していますので気軽に遊びに来るような感覚でお寺に足を運んでいただきたいですね。
法事や法要をする場所だけではなく、みんなで悩みを話し合ったり、笑ったり、泣いたり出来る場所でありたいと思います。

葬儀、法事・法要 

亡くなった方のご縁をいただいているのだから「葬儀の際には、常に緊張感をもってお勤めしています」という住職。ご家族が悲しんでおられる時には「僧侶の役目とは何か、何ができるか」を考えて接しているという。
法要の際の「お斎」はほとんどが手作りで、婦人会が集まり副住職が中心となって作られる。自然豊かな境内の恵みを受け、春には竹林で採れたタケノコが、秋にはイチョウから採れた銀杏が用いられる事も多い。
なお近隣には浄土真宗本願寺派のお寺が少ないので、浄土真宗本願寺派の門徒を希望する方は、気軽に相談して欲しいという。

お墓

境内に墓地があるが、スペースにあまり余裕はないので、みなさんと一緒に合葬となる共同墓地がある。詳細についてはお寺までお問い合わせください。

イベント情報

成道会・バザー・コンサート(12月)

12月に行われる成道会の法要の後、毎年恒例のバザーとコンサートを開催している。
仏教婦人会による出店が豊富なバザー。2018年はパティシエの手作りケーキやお惣菜、壮年会による焼きそば、編み物教室からは帽子やベストなどの手編み製品が出店され、他にも無農薬野菜や手打ちそば、石窯で焼いたナポリピッツァなどが出店された。
門徒だけではなく、地域の方々にも参加いただき、好評を得ている。

宗願寺合唱団(毎月第3日曜日午後13時半〜 )

仏教讃歌を住職が指導。門徒以外も参加できる。

編み物教室 (毎月第2・第4火曜日 午前10時〜)

手編み指導員の資格を持つ副住職が講師を務めている。
女性の門徒を中心に帽子やセーターなどを編み、成道会のバザーで販売もしている。

寺院情報

寺名(ふりがな) 足立山宗願寺 (あだちざんそうがんじ)
住職 井上直之(釈 直道)/いのうえなおゆき(しゃく じきどう)
郵便番号 306-0033
住所 茨城県古河市中央町2−8−30
電話番号 0280-22-1433
FAX番号 0280-23-2552
ホームページ https://sougwanji.com
交通

JR古河駅より徒歩10分

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