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しょうにっさんじょうみょうじ松日山 浄妙寺

金色の阿弥陀仏、古色蒼然たる蓮如上人の掛け軸、外陣と内陣を厳かに立て切る襖絵……。見るもの全てが歴史深く、畏敬の念を覚えるほど重厚な本堂。時折、そこに釈迦の慈悲深い手のような、肌を優しくなでる海風が柱梁の間を吹き抜けていく。

海に面したひたちなか市の東部に古来より根ざし、漁者や農家の信仰の本拠地として繁栄した浄妙寺。近年では街の都市化に伴い、会社員や工場勤務の門信徒が多くなった。そのため夜間や休日にも訪れられるよう、本堂は365日24時間いつでも開放している。

また夏には小学生対象のサマースクールを開催。仏教の世界を楽しく体験し、若者を含め、幅広い世代にお寺を身近に感じてもらえるよう心がけている。

歴史

浄妙寺の起源は貞応2(1223)年。鎌倉時代、北条氏が幕府の執権職を担い始めた頃に始まり、現在までおよそ800年もの長い歴史を紡ぐ寺院である。天正18(1590)年に本願寺より「浄妙寺」の寺号が認められると、江戸時代中期、享保8(1723)年になって現在の地へ移転。

現住職の高祖父にあたる17代住職、信英氏の時に本堂が建て替えられ、その後、代が替わるごとに山門、鐘楼堂と再建。平成10(1998)年には庫裏会館の建立や本堂の大改修が行われ、21代となる現住職、信彰氏に継承された。現在では枯山水を取り入れた庭園を、職人の手を借りながら自らも整備に励んでいる。

また当寺には、本堂に安置されている室町時代の本尊や、庫裏会館の大広間に安置されている徳川家康寄進の本尊、さらには徳川光圀ゆかりの樹木など、価値ある宝物をいくつも所蔵している。

住職インタビュー

800年続く浄妙寺・住職の想い

私が得度したのは大学1年の時です。僧侶として生きる決意を固め、自ずといつかは浄妙寺の21代目の当主となりこの寺を守らねばならないという責任やその感慨深さが込み上げ涙したのが思い出されます。

それから39歳で住職となり、はや20年。寺の歴史を思うとその重責に押しつぶされてしまいそうでしたから、目の前にいる人々や物事に対して一つ一つ真剣に対応することを心がけてきました。

その日々を振り返ると、仏教への信仰心やこの寺への愛着、また住職としての使命感が年々深まり、同時に充足感も感じられるようになってきました。

 

一年を大切にする心が、歴史を紡ぐ

僧侶になって以来、常に若者にも浄妙寺に興味を持ってもらいたい、という想いを抱いてきました。

そうして模索する中で始めたのがサマースクールでした。お寺に子供たちを集めてお経や座禅を体験し、プレゼント交換や花火、肝試しなどを行います。なんとか毎年続け、今年で35回目。続ける苦労はありますが、数年前には続けてきて良かったと思える出来事もありました。

過去に参加した一人が二十歳で亡くなった際、その方と同じ年に参加したメンバーが、『当時のメンバーでもう一度サマースクールを開いてほしい』と言ってくれたんです。このサマースクールが、彼らの中で良い思い出として残っていたことがわかり、大変感慨深いことでした。

正直ここまで続けるのは簡単でなく、時には人員が足りず規模を縮小し、辞める寸前までいきました。それでもこの出来事は、続けることの大切さを教えてくれました。

考えてみれば浄妙寺の歴史もそうですよね。一年一年の積み重ねがあって今日に至るわけです。これからもコツコツと実直に活動を続けていきたいです。

 

葬儀、法事・法要

浄妙寺では、門信徒の要望があれば全国どこへでも務めに出る。住職は「どんなに遠くても、必要としている方があれば、そのご縁を大切にしたい」と話す。実際に小田原、八王子、上尾など、県外に住む門信徒のところへ出向いたこともある。

法話では難しい仏教用語を使わず、一周忌や四十九日など、それぞれの仏事の意義や意味についてわかりやすく説明してくれる。現代において仏教が果たす役割について、少しでも理解を深めてもらいたいとの思いが込められている。

その他にも住職は、悩み事があれば一人で抱えるより迷わず相談して欲しいとも話す。「仏教の考え方を知るだけで、ふと視点を変えることができ、悩みがスッキリすることも多い」と言う。内容は問わず、恋愛相談でも可能だ。

お墓 

近年では街の都市化に伴い、会社員や工場勤務の方々が多くなってきている。そのため仕事終わりの夜間や休日の参拝や墓参が多く、365日24時間いつでも一般開放している。

また駐車場は第一・第二・第三駐車場と完備。100台まで駐車可能だ。

法要では、親族だけでなく多くの関係者が一度に訪れ大所帯となることもある。そんな時でも車で来ることが躊躇されないよう、また一台でもより多く止められるよう広く設けた住職のはからいが含まれている。

墓地は、個人所有墓地以外に、永代供養共同墓地も設けられ、以下の区画の墓地が分譲中。

110cm×140cm (1区画)
120cm×140cm (2区画)
180cm×150cm (37区画)
180cm×180cm (12区画)
180cm×200cm (3区画)
180cm×270cm (10区画)
※詳細についてはお寺までお問い合わせください。

イベント情報

聞法会・恵信会・仏教婦人会聖跡参拝旅行(毎年6月)

日帰りで聖跡参拝や観光を行なう。これまでに東北や関東各地を訪れている。千葉の木更津市へ行った際は、ビワ狩り、東京では千鳥ヶ淵や国立博物館、相田みつお記念館などへ訪問した来歴がある。

サマースクール(毎年8月下旬)

浄妙寺にて、小学生を対象に、仏教の教え、読経、ゲーム、プレゼント交換、きもだめし、花火などのレクリエーションを行う。

除夜会(12月31日 午後11時30分〜)

大晦日から年越しを挟み、鐘を打つ行事。どなたでも参加可能で、境内にある鐘楼堂にて行われる。

寺院情報

寺名(ふりがな) 松日山 浄妙寺 (しょうにっさんじょうみょうじ)
住職 那須 信彰
郵便番号 311-1201 
住所 茨城県ひたちなか市阿字ヶ浦町625
電話番号 029-265-8005
FAX番号 029-265-8172
E-Mail jyoumyouji.hitachinaka@gmail.com
ホームページ http://jyoumyouji.net/
交通

【電車】

JR常磐線 勝田駅より車で約20分
ひたちなか海浜鉄道湊線 阿字ヶ浦駅より徒歩約10分

 

【車・タクシー】

常陸那珂有料道路 ひたち海浜公園ICより約5分

駐車場 100台
地図