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じょううんざんさいこうじ浄雲山 西光寺

西光寺の周囲に広がるのは、長閑な田園風景。春から夏の間は、田んぼに張った水がきらめき、秋には稲穂が実り金色に輝く。東京湾も近く、海岸に建設された京葉臨海コンビナートは日本の高度経済成長を支えた地としても有名。門信徒には、そのコンビナートで働いている人も多い。

寺は住職と副住職の二人体制。大人も子供も、さらに仏教初心者も広く受け入れてくれる雰囲気。二人の合作である寺報「心耕」は毎月発行され、仏教コラムや行事案内、時事ネタなど、読み応えのある内容になっている。敷地内には、副住職が自作したピザ窯があり、子供たちを呼んでみんなで手作りすることも。敷居の低い、開かれた雰囲気が魅力的だ。

歴史

始まりは、ごくこぢんまりした布教所。昭和56(1981)年11月1日、浄土真宗本願寺派による首都圏都市開教対策の一環で、千葉県市原市五井に開設された。主管は、福岡県柳川市の長善寺をふり出しに、京都・埼玉・千葉・高知を学生・法務員・留守番として過ごしてきた吉弘円秀。全くの新天地だったが、県内、近県の寺々に助けられ、無事スタートを切ることができたという。

円秀が西光寺の中心となり、まず力を入れたのが、地元の人々に存在を知ってもらうための寺報。毎月欠かさず作成しているかいあって、徐々に足を運んでくれる人が増え、平成3(1991)年には道場を構えることができた。やがてその道場も狭くなり、平成15(2003)年には、現在の地に新道場を建立。今では息子である副住職・一秀と共に、より地域に根差した寺を目指している。

住職インタビュー

【住職】吉弘 円秀

■一人一人に寄り添う姿勢を貫く
昔、街には共同体というものがあって、その仕事の一つに葬式がありました。しかし、共同体が存在しない今、寺のあり方もどんどん変わってきています。
この辺りは昔からの住民よりも、高度経済成長期のころに臨海のコンビナートで働くため田舎から出てきた人が多く、何もないところからコツコツ働き家を持ち、子供を一人前になるまで育てあげました。私は、そんな大仕事を成し遂げた人たちを尊敬しています。寺を続けてこられたのは彼らのおかげですし、一人一人と真面目に向き合うことを大事にしてきました。例えば葬儀の相談に関しては、「身内だけでやりたい」という場合や、家族すらなくお独り世帯の場合、「賑やかなのが好きだった故人のため」どんちゃん騒ぎをしたいなどさまさま。尊重すべきなのは、遺族の故人への気持ち。そのためなら旧来の形にこだわる必要はなく、どんな形があってもいいと思います。

■地元に愛される寺づくり
寺報は、市原五井布教所を開設した昭和56(1981)年11月から、ほぼ毎月発行しています。手作りだから「よくできた」と思えることの方がめずらしいです。でも、いいところだけを見せようとしても、ご門徒さんには窮屈でしょうから、もっと知ってもらうために、かっこ悪くても出し続けてきました。
副住職は、私とは別に自分なりの方向性を見出していますね。新しい世代らしい切り口で、寺に縁のない若者や子供をよく集めています。これは“明日の緑”ではなく、20年後、30年後に焦点を合わせているからこそできること。二人で意見をぶつけ合いながら、灯台の基礎を支えるように、寺が街に根付くための捨石なるつもりです。います。

副住職インタビュー

【副住職】吉弘 一秀

■大事にしたいのは“今”を生きる人々
葬式の形式がどんどん多様化していくなか、私がより重きを置いているのは“今”を生きる人々です。子ども会や、幅広い年齢層が参加しやすいヨガ教室を企画するのは、イベントそのものを楽しんでもらうと同時に、仏教の教えを“今”の人々に伝えるため。子ども会では難しい話をしても伝わらないので、わかりやすい紙芝居に。既存のものではつまらないから、自分で話を考え、手描きで作っています。イベントの最新情報は寺報でもお知らせしますが、スマホのLINE公式アカウントが便利ですね。昔ながらの手段にこだわることなく、たくさんの人に興味を持っていただけるようにしたいです。
もちろん葬儀の相談をされた時には、きちんとお答えできるように準備はしています。しかし、昔は寺や自宅でやっていたものが公民館になり、やがて公民館でやるのもめずらしくなって、斎場が一般的になりました。それが今度はコンパクトになってきて、10数年後には、葬式に僧侶がいる方がめずらしい、なんて時代がやってくるかもしれません。どんな要望にも応じられるように決め過ぎないようにしたいです。

■朝の散歩中にアイデアが浮かぶことも
休日は子供と過ごすことが多いのですが、娘と一緒に観た映画が紙芝居のヒントになることもあります。新作や法話の内容などのアイデアを思いつくのは、散歩中が多いです。毎朝5時30分頃からの約30分間は散歩の時間。だいたい決まった道を歩くのですが、いつも同じ場所で、同じおじいさん、おばあさんと会って、「おはようございます」と挨拶を交わすのが日課になって

葬儀、法事・法要

浄土真宗において葬儀は単なる別れの場ではありません。故人との出会いを喜び、仏の縁を通して浄土で再会することを誓う場です。そのため、遺族の負担が少なく、健やかな気持ちで故人との時間を過ごせるよう親身になって対応してくれる。規模、形式、食事のあり・なしなどの相談も可能。

墓・納骨堂

令和2(2020)年現在、納骨堂を建設予定。既に昨年、検討委員会を発足し、各地の合葬墓、納骨堂を視察済み。門信徒の意見も汲みいれながらプランをまとめている。進捗情報は西光寺のHPやLINE公式アカウント、令和2年4月から発行する「建設だより」(仮称)でお知らせしていく。

イベント情報

常例法座(毎月12日 13:00~15:00)

お勤めや法話のほか、浄土真宗の基礎を1年かけて学ぶ入門講座「仏教はじめの一歩」、みんなで歌う仏教讃歌など初心者にもわかりやすい内容が中心。

日曜法座(毎月第4日曜 13:00~15:00)

お勤め、法話に続き、「お寺のいろは」と題して葬儀や墓、病気といった現代の問題について一緒に考える会。最後には仏教讃歌も。

正信偈写経会(婦人会主催:毎月第2金曜 13:00~ / 壮年会主催:毎月第3水曜 19:00~)

講師を招き、親鸞聖人が書かれた正信偈を写経する。

花の空ヨガ(毎週木曜 15:00~16:00)

プロのヨガインストラクターのもと、体を動かし、身も心も健やかに。指導してくれるのは、五井公民館でヨガサークル「花の空」を主催し、花空鍼灸あん摩マッサージ治療室を運営するヨガインストラクターの相田萌花さん。

会費800円。予約不要で、持ち物はタオルと動きやすい服装、ヨガマット(ヨガマットのレンタル200円)。

 

子ども会(不定期)

子どもたちのための企画。花まつり、夏の林間・臨海学校、冬の餅つきなど、体験型のプログラムを通して楽しんでもらうイベント。ピザ焼き体験(子供は無料、大人500円。現在は人気のため予約制)は、薪を使って窯で焼き上げる本格派。

情報は「西光寺子ども会」のLINE公式アカウントにて随時配信している。

寺院情報

寺名(ふりがな) 浄雲山 西光寺 (じょううんざんさいこうじ)
住職 吉弘 円秀
郵便番号 〒290-0024
住所 千葉県市原市根田723-1
電話番号 0436-22-7412
FAX番号 0436-24-1652
ホームページ http://saikohji.net/
交通

JR内房線「五井駅」東口より小湊鐡道バスに約7分乗車、「宗田マタニティクリニック」下車4分

駐車場 40台
地図