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ぼだいさん じょうどいん あんらくじ菩提山 浄土院 安楽寺

2本の門柱の間を通り境内に入ると、そこは日本庭園。モミジをはじめ純和風な木々がこんもりと茂り、鯉が優雅に泳ぐ池がある。その先へやや登ると、モダンな外観の堅牢そうな本堂が姿を見せる。1945(昭和20)年8月2日、第二次世界大戦末期の水戸空襲で寺院の一切を焼失したことがあり、「二度と燃えないお寺にしたい」という想いから、コンクリート製で建てられたそうだ。

住職の澤田唯(ただし)氏は、東京に本社のある大手金融機関で働いた後、継職するために、実家である安楽寺に戻ってきた。

歴史

安楽寺の開基は、唯誓(ゆいせい)と言い伝えられている。唯誓は近江国(滋賀県)の住人で、元は澤田四朗高信といい、近江国で天台宗の僧侶となった後、全国各地を巡りながら修行を続け、1216(建保4)年、常陸国大戸村椿阪(現在の東茨城郡茨城町大戸)に天台宗浄土院として草庵を構えた。その後、笠間にいらしていた親鸞聖人の影響により、本願力回向(ほんがんりきえこう=南無阿弥陀仏(阿弥陀如来)のはたらきにより凡夫が極楽浄土に往生し仏となること)を中心とした念仏の教えこそ、自らが救われる教えだと想いを改め門弟となり、唯誓という名となった。

1221(承久3)年、浄土院を改め、浄土院安楽寺と称し、以降400年余りの間、仏法の道場として栄えた。

1625(寛永2)年、水戸藩の意向により、大戸村から現在の地に移転した。当時の門徒は、水戸藩家臣3人、町家30、農家32と記録されている。移転当時は仮堂だったが、1688(元禄元)年に本堂が建立され、ついで1770(明和7)年に、庫裡と聖徳太子堂が完成。さらに梵鐘堂が建立され、全てが整ったのは、第16世住職・宗源の時であった。

1945(昭和20)年8月2日、第二次世界大戦末期の水戸空襲で、寺院の一切を焼失。1946(昭和21)年に、仮の本堂と庫裏が建てられた。

1963(昭和38)年8月に、「新しい時代にふさわしい、モダンで、二度と燃えないお寺にしたい」という想いから、現在のコンクリート製の本堂の再建が始まり1965(昭和40)年4月に、本堂再建落慶法要を執り行った。

「阿弥陀三尊像」の絵図は、第二次世界大戦の空襲の際には、ご門徒宅にあり、戦災を免れたもの。江戸時代後期の作。修復して額装され、大変美しい。

住職インタビュー

■会社員を経て、僧侶に

会社に入社後、配属されたのは所縁のない大阪でした。勤務している中で、営業成績を書き込むホワイトボードが月末になると消されていく様子を見て、私の人生も同じように最後にはすべて消えゆくのだなという漠然としたむなしさを覚えました。

何も残らないならば何のために生きていくのか、そんな疑問を抱いている中で大阪府の南に位置する富田林市のお客様宅を訪ねた際、大きな金色のお仏壇が目に入りました。お尋ねするとその方は浄土真宗のご門徒さんでした。その方との出会いの中で、このむなしさを受け止める一つの道がお念仏の教えだと気づかされました。

そのような経緯で僧侶になるべく京都へ行き、本願寺派布教使となり現在に至ります。

 

■仏教は、自らの心を縛るものから解放されていく教え

仏教は死後の教えではなく、いまここを生きる私の心が解放されていく教えです。私が抱いている善悪の価値観、また社会が作る常識、それらが自らを縛り苦しめ、また他者を苦しめる環境を作っていると仏教では説きます。自らの心を縛るものに気づかされそこから解放されていく、身はこの世にあっても心は浄土につながっていく、ここに仏教のご利益があります。

毎月16日には定例法話会を開いています。どうぞ、ご縁ある際には仏法聴聞されてください。

葬儀・法事・法要

寺院での葬儀・法要は60人くらいまで。遺族・家族の控室がある。
火葬や納骨の際も立ち会いを行っている。

お墓

一般墓、永代供養墓、樹木葬がある。過去の宗派は不問。
一般墓の冥加金は15万円から、年間管理費は2000円から。
永代供養墓の冥加金は10万円から、年間管理費は無料。
また樹木葬は1契約30万円からで、3体納められる。

ペットの納骨堂もあり、冥加金は1万円、年間管理費は無料。
写真プレートの設置も可能。

イベント情報

日曜礼拝(毎週日曜日 朝7時)

お勤めをして法話を聞き、みんなでお茶を飲む。YouTubeで生配信もしている。

写経会(毎月第1・3木曜日 14時)

「正信念仏偈」「無量寿経」を写経する会。お手本の上に和紙を乗せてなぞり書きをする。手ぶらで参加できる。
初回のみ1,200円(教材費)が必要となる。

フードバンク(随時)

本堂には食品の寄付ができる「きずなBOX」が置いてあり、缶詰やお米、インスタント麺、レトルト食品などを受け付けている。
住職はNPO法人フードバンク茨城の会員にもなっている。

各種SNS(随時)

各種SNSも積極的に行っており、寺院の様子を垣間見ることができる。

Facebook
https://www.facebook.com/anrakuji.mito

Instagram
https://www.instagram.com/anrakuji.mito/

寺院情報

寺名(ふりがな) 菩提山 浄土院 安楽寺 (ぼだいさん じょうどいん あんらくじ)
住職 澤田 唯
郵便番号 〒310-0836
住所 茨城県水戸市元吉田町2511
電話番号 029-225-8892
FAX番号 029-225-8297
ホームページ https://anrakuji-mito.wixsite.com/mito
交通

【電車】
JR・鹿島臨海鉄道「水戸駅」から車で5分

【バス】
「水戸駅」から、茨城交通「朝日町二丁目」下車、徒歩1分
または、関東鉄道「朝日町」下車、徒歩7分

駐車場 50台
地図