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ふじわらさん しょうねんじ藤原山 正念寺

市の北西に相模湖、南西に富士山を望む風光明媚な相模原市緑区。同区の藤野・なぐら地区はゆるやかな山が連なり、のどかな景色のなかに地域に根ざした住人たちが溶け込み、穏やかな時間が流れる。藤原山 正念寺は、江戸時代に豊かな山里のこの地に再建され、境内の植物が四季折々の表情を見せ、本堂に入ると迷える人たちを見守り続けてきた本尊の阿弥陀如来(木造)が鎮座する。また、室町時代につくられた絹本着色熊野権現影向図、聖徳太子騎馬像、樹齢300年のしだれ桜があり、3つの宝として代々受け継がれている。現在の住職である河内顕大氏は元・門徒。先住様と門徒の推薦で第25代となった。

歴史

正念寺は1262(弘長2)年に空快が開基し、翌年に親鸞聖人二十四輩の一人である乗然が開山。創立は堂上原で1714(正徳4)年、月夜野へ引建。1959(昭和34)年に伊勢湾台風など2度の台風で被災して本堂が全壊。翌年、古い木材を使って再建し、以降何度かの改修を経て現在に至る。

第25代の現住職は神奈川県の小学校で教員を務め、定年退職後、本格的に仏教を学んで正念寺の僧侶に。2013(平成25)年に得度をし、顕大となり、第24代住職の繁正氏が病気引退されたことを受け、第25代となった。以前は仏教やお寺にほとんど縁がなかった住職だが、あることがきっかけで正念寺というお寺と結びつき、仏教(浄土真宗)の道へ開いてくださったという。それは何者も温かく包み込み、やさしく呼びかけてくれる阿弥陀様のお導きだった。

住職インタビュー

■兄の見舞いで始まった阿弥陀如来さまの光明

私が住職になって7年目を迎えましたが、あるときまで仏教やお寺とほとんど縁のない生活を送っていました。家系は浄土真宗ですが、私自身はそこまで熱心な門徒ではなく、小学校で教鞭を執っていたのです。

50代の頃のある日、私をかわいがってくれた年上の兄が67歳の若さで亡くなりました。生前の兄は、横浜北部にある病室から生まれ故郷のある西のほうに向かって手を合わせていたことを覚えています。兄は故郷と重ね合わせて、浄土真宗の仏様に手を合わせていたのでしょう。骨髄がんですでに手遅れだった兄に私は何もできませんでした。そして私は仏教を学び、仏様と遭わせていただくことで心の苦しみから抜け出すきっかけになるのではないかと考え、定年退職後に仏教を本格的に学ぶようになったのです。

浄土真宗は、鎌倉時代に親鸞様が開いた教えです。阿弥陀様をご本尊とし、本願力(すべての人々を救う絶対的な力)によって信心が授けられることで自然に「南無阿弥陀仏」の念仏を称え、死後は極楽浄土で仏となり、今度は人々を救う手助けをするためにこの世に帰ってくる、という教えが骨子です。

そして阿弥陀様は、私たちのように苦しみをかかえて生きるものを救わずにはおられず、「安心せよ。あなたの人生、必ず実りあるものにするから心配するな、大丈夫だよ」と呼びかけ、摂めとってくださっているのです。私も阿弥陀様に救われた一人です。

 

■門徒さんとともに学び、お寺を守る

退職してから12年が経過し、ご縁があって第25代の住職となりました。その間に正念寺の門徒さんには境内の清掃や管理などいろいろとご協力をいただき、2018(平成30)年には多大なる寄付とご協力で立派な庫裏と客殿をつくっていただきました。歴史を紐解くと、正念寺の門徒さんは昔から熱心でいられ、1959(昭和34)年に伊勢湾台風で本堂が全壊したときも門徒さんのご協力のもとでお寺を継続することができたのです。今では正念寺を守っていこうという気持ちがより強くなり、門徒さんには浄土真宗の教えを深く広めていきたいと考えています。

浄土真宗はすべての人々が阿弥陀如来によって救われていく「絶対他力」の教えのため、習慣行事にあまりとらわれないのが特色です。法話会をはじめとしたいろいろなイベントを開催していますので、興味のある方は門徒さん意外でも参加していただきたいですね。

藤野はアートの町として町づくりが行われていて、芸術の道の散策やアートビレッジを楽しむことができます。そんな自然豊かな土地にある正念寺は、樹齢300年と伝わるしだれ桜、阿弥陀様と熊野神社社殿を描いた垂迹画の絹本着色熊野権現影向図、物部氏との戦いの中での14歳のときの聖徳太子を表現したといわれる聖徳太子騎馬像の3つの宝が受け継がれています。特にしだれ桜は見事ですので、お近くに来られた際はぜひお寄りください。

葬儀・法事・法要

お寺での葬儀、法事、法要は常にお受けしており、式場への出張も可能。

施設は48人まで収容可能でケータリングでのお食事もお受けしている

お墓

一般墓、合同墓でお受けしており、ご遺骨の一時預かりも可能。
お気軽にお問い合わせください。

イベント情報

法話会(月1回)

定例の法話会は月1回開催。
法話というのは、寺院の本尊である仏様や寺院の開祖に関する仏教のお話をわかりやすく教えてくれるものです。仏様の教えを伝えてくれる法話は、生きるためのヒントになるかもしれません。正念寺の法話会は、門徒以外の方でも参加可能です。

盂蘭盆会法要(お盆法要)(年1回)

年に1回の「お盆法要」では、ゲストに落語家さんをお招きした行事を開催。今年は三遊亭右左喜師氏をゲストに迎え、「親鸞聖人一代記」を口演予定。親鸞聖人が幼い頃に両親を亡くし、出家後、過酷な修行に専念したエピソードを、笑いを交えて披露してくれます。

法話会&三味線演奏会(随時)

今年の「法話会・三味線演奏会」では、門徒の西田勘蔵氏がお弟子さんと演奏し、ちゃっきり節、花笠音頭、武田節、炭坑節などを披露予定。また、11月には「法話会・みんなで歌おう」を開催予定で、門徒の内藤久子氏のピアノ演奏で音楽イベントを行います。

寺院情報

寺名(ふりがな) 藤原山 正念寺 (ふじわらさん しょうねんじ)
住職 河内 顕大(かわち けんだい)
郵便番号 252-0187
住所 神奈川県相模原市緑区名倉3967
電話番号 042-687-3610
交通

【電車】

JR中央本線 藤野駅より富士急バスにて15分
(「登戸駅多摩川口」バス停からバスに乗車、「向原バス停」で下車するとお寺のすぐ近くまで来られます)

【車】
中央自動車道 相模湖出口から約10分

駐車場 30台
地図