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せきすいざん しょうねんじ石水山 正念寺

石水山正念寺がある大月市真木は、真木川沿いに南北に広がる山深い土地だ。そんな真木地区は広大な地域に民家が広がっていて、浄土真宗本願寺派のお寺が正念寺を含めて2ヵ寺、真宗大谷派のお寺が1ヵ寺ある。正月になると門徒の方々がお寺にお参りに来られる。それに対し、3ヵ寺の僧侶も真宗教団連合のカレンダーを持って、1月2日、3日の2 日間で真木地区の一軒一軒のお宅を朝から夕方まで一緒に回る。「万歩計を持ってきて測ると、2日間で約30キロ歩いていることがわかりました。」と笑顔で語るのは住職の槇野晋平氏だ。正念寺の門徒はそれほど広い地域にいらっしゃる。

歴史

もともと正念寺は天台宗のお寺であったと伝えられている。大月市と上野原市の間に扇山という山がある。その中腹の開けた場所に不自然に石が置かれている場所があり、そこにもともとの本堂があったという。その場所から東に下がったところに談合坂サービスエリアがあるが、その辺りの野田尻地区には今でも30軒ほど、北側に下がった浅川地区にも10軒ほど門徒のお宅があることから、そこに本堂があった可能性は高く、同地区の門徒の方たちとは700年以上前からのご縁になる。

1228(安貞2)年、天台宗から浄土真宗に改宗をして、それ以降、阿弥陀仏の立像を本尊とした。今から300年ほど前に当地で火災に遭い、現在の大月市真木下原地区に移動したが、境内地が狭かったため、南に少し下った同小佐野地区に移動した。

約100年後の1825(文政8)年、再び火災で消失した本堂が立て直され、昭和の末から平成にかけて瓦屋根を銅板に葺き替えるなどの修復を経て今に至っている。

2013(平成25)年には全門徒協力の下、基礎が300年経過していた庫裡を新築、同年に継職した現住職が28代目となる。

住職インタビュー

■できるだけ親しみやすいお寺を作り上げたい

私はここの生まれではなく、東京から来た人間です。京都の中央仏教学院で寮の管理を5年間しており、そこで坊守(連れ合い)と知り合いました。東京に比べれば真木の人口は少ないのですが、人同士のつながりは非常に濃いと感じています。地域ごとに組分けされており、お葬儀などがあったら手伝うことが当たり前でした。このように人同士のつながりは濃いのですが、「お寺は葬儀や法事に行くところ。お寺にお世話になるのは亡くなった後。生きている間は……」という風土があるように感じます。お寺との間に見えない壁があり、私はそれを何とか取り払いたい、出来るだけ親しみやすいお寺を作り上げたいと考えています。

例えば、なにげないときにお寺に来られてお話をさせていただいたり、お話を聞かせていただいたりすると、ついつい時間が過ぎるのを忘れてしまうときがあります。その時間が「良かった」と感じてくれている方が、徐々に増えているような気がするのです。

人の命は計り知れない命のつながりのなかで生かされています。そのことに気がつくことは、仏さまに出会っていくことです。お寺が、人と、そして自分自身と出会っていける場所になってもらえたら嬉しいです。そのためにも、子どものころからお寺を身近なものとして感じてもらえるように、毎月子ども会を開催しています。夏には本堂でお泊り会、 冬には焼き芋、花まつりをしたり、遠足などにも出かけようと考えており、今後もずっと続けたいと思っています。

 

■門徒の方とより親しくなるために

子ども会の活動もそうですが、今年は徐々に、日常を取り戻していければいいですね。新型コロナウィルス流行前までは、希望者を募ってみんなで旅行にも行っていました。最近はSNSなどを見ると、お寺に行きたがっている方が多い、と発信している方がいらっしゃいます。人と関わりたいと思っている方が、間違いなく増えているようです。

私は門徒の方とより親しくなるため、ご法事にこられた方々の集合写真を撮らせてもらったり、法事の後のお茶の時間にお参りのみなさんとお話をする時間を大切にしています。その際、来てくださった方の名前をできるだけ聞いて、メモしています。後日メモを見返して名前で呼ばせていただくと会話も弾みます。これも、お寺に親しみを持ってもらうための取り組みの1つです。

その他に正念寺は保育園の運営もしております。園児も私の話に興味を持ってくれているようです。例えば、私が命の大切さについて話をすると、子どもは理解できたのかその場では分かりません。しかし家に帰って お父さんお母さんに「命はね、大切なんだよ」と話をしてくれるそうで、とても嬉しいことです。私は浄土真宗のお寺の住職で本当に良かったと思っています。「門徒の方々と共に歩む住職」としての人生を、これからも楽しみながら過ごさせていただきたいです。

葬儀・法事・法要

まずはお寺までご連絡ください。
この地域では亡くなった方のお名前が新聞に掲載されます。すると、大勢の人が葬儀に来られて収拾が付かなくなる可能性があるので、新聞に出さないことを条件に本堂で葬儀を行い、庫裡を利用して会食をすることができます。30人ぐらいまでなら、当院でお引き受け可能です。

お墓

宗派に関係なく、どなたでも利用いただける「合葬墓」があります。永代に渡ってお寺で管理するお墓で、使用料は一体15万円です。一度納骨されるとお返しすることができませんので、あらかじめご了承ください。
個人の墓地も受け付けています。詳しくはお寺までご連絡ください。

イベント情報

お寺の子ども会・土日学校(毎月第4土曜日もしくは日曜日を中心に開催)

小学生以上の子どもたちとお参りやお話をしたあと遊んでいます。お泊り会や遠足なども毎月第4土曜日もしくは日曜日を中心に開催しています。

お寺に行けばだれかに会える、本堂開放の日(随時)

夕方まで本堂開放の日と題し、本堂で自由に過ごしてもらいます。いつ来て、いつ帰っても大丈夫で、住職の法話も読経もありません。

だれでも法座(随時)

仏事・法事・お盆・お墓など身近なことをテーマにみなさんの意見を聞きながら、本堂で住職がお伝えしています。宗派に関わらず「だれでも」参加できます。

朝のお参り、お墓そうじ日(月1回)

朝6時から、お参りとラジオ体操とお墓のそうじをして7時に解散します。朝のお参りだけでも、掃除からの参加でもかまいません。お盆やお彼岸の前を中心に実施予定です。

永代経法要(4月)

毎年4月に行われるご先祖を通して仏さまのみ教えに出会う法要です。

報恩講法要(10月)

毎年10月に行われる親鸞聖人のご恩を偲んで仏さまのみ教えに出会う浄土真宗で最も大切な法要です。

寺院情報

寺名(ふりがな) 石水山 正念寺 (せきすいざん しょうねんじ)
住職 槇野 晋平(まきの しんぺい)
郵便番号 401-0016
住所 山梨県大月市大月町真木2053
電話番号 0554-22-5170
交通

【電車】
JR「初狩」駅より徒歩30分
JR「大月」駅より徒歩40分

【車】
大月インターから5分
JR「大月」駅より10分

駐車場 20台
地図