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よこはまほどがやふきょうじょ じゅうれんじ横浜保土ケ谷布教所 住蓮寺

横浜駅から相鉄線で約10分の和田町駅から商店街や住宅街を3〜4分ほど歩くと見えてくる横浜保土ケ谷布教所 住蓮寺。門をくぐると、手入れの行き届いた庭が季節ごとに目を楽しませてくれる。とくに寒さが緩む春先から桃、梅、しだれ梅の蕾が順々にほころんでいく姿は、門徒の皆さまの楽しみのひとつとなっているという。

前身の横浜布教所 住蓮寺からその名やお内仏(お仏壇)を受け継いで、横浜保土ケ谷布教所 住蓮寺がこの地に開設したのは2020(令和2)年のこと。以来、親鸞さまの教えを門徒の皆さまにお取次ぎし、ともに学ぶ場を開いている。

歴史

現在の住蓮寺のある仏向町から300mほど離れた和田町にあったのが、前身の横浜布教所 住蓮寺だ。36年間、その地で役目を務められたが、住職の引退とともに一度お寺をたたむこととなり、そのお寺を継承する形で令和2(2020)年、現在の猪口大悟住職が横浜保土ケ谷布教所 住蓮寺を開いた。

横浜保土ケ谷布教所 住蓮寺には、前住蓮寺から受け継がれたお内仏のほかに、築地本願寺から御本尊をお迎えしている。この御本尊の阿弥陀如来さまは木製で、一説には製作から400〜500年ほどの歳月を経ているといわれ、蝋燭や線香、灯明などの煙に燻されて黒くなったお姿から、長い年月、人々が仏さまの前で手を合わせたことが伺える。今では、多くの門徒の方々が法事や法話会、勉強会のたびに、この仏さまの前に座り手を合わせ、その歴史を継いでいる。

住職インタビュー

【住職】猪口 大悟 (いのくち だいご)

■僧侶になることを後押しした母との別れ

私が僧侶を志したのは、高校生の頃。室町時代に浄土真宗を全国に広められた、本願寺第8代宗主 蓮如さまに憧れたからです。そのくらいの年頃の青年が「蓮如さまに憧れて」ということに、少し珍しさを感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、迫害を受けながらも門徒の方々と一緒に教えを広め伝えた蓮如さまのお話を聞き、尊敬の念を抱いていました。そうして大学で仏教学を学ぶようになるのですが、はっきりと僧侶になると決意したきっかけは、母の死でした。私が20歳、母は57歳のときのことです。私の祖父は島根県で住職をしていましたが、父は会社員でした。しかし、以前に得度して僧侶であったことから、父が母の四十九日や年忌法要を勤めました。

当時の私は、病の母に対して何もすることができませんでした。それは、私の中で不甲斐なさ、悔しさとなって心に留まりました。お釈迦さまは、「応病与薬」といって、苦しむ方々にあわせて教えを説かれたと聞きます。私も、苦しむ母に対して何か伝えることができていたら……、その悔しさや、父の姿が、僧侶になろうという思いを後押ししたのだと思います。

 

■ともにみ教えを学べる居場所をつくりたい

大学を卒業し、北海道にある本願寺の別院のひとつ小樽別院で僧侶としての心構えや法務を学ばせていただき、その後、広島の歴史のあるお寺に勤めました。その頃には、生まれ育った関東首都圏でお寺を開きたいという思いを強くするようになっていました。門徒の皆さまと親鸞さまの教えをともに学びたい、教えを一緒にご聴聞できる居場所をつくりたいと思ったのです。

現代人は忙しい毎日をおくっています。食事をすることなしに生きていくことはできませんが、心に食事を与えずに栄養が行き渡らない状態で、せわしなく暮らす人は多いのではないでしょうか。そういう時こそ、お寺の存在が大切です。人の「しあわせ」とはなにか。他人と比べるのではない、自らの真の「しあわせ」はどこにあるのか。私たちにとって本当に大切なこと、生きる上での本当の拠り所に出あう教えが仏教だと私は考えています。そうしたみ教えと出あえる場所として、多くのご縁が繋がり、このお寺を開かせていただくことができました。法話会や住蓮寺てらこやなど、気軽にお越しいただける場も設けておりますので、ぜひ気負うことなく、気軽に住蓮寺を訪れていただけたらうれしく思います。

葬儀・法事・法要

「お坊さんに何かを尋ねたら、そんなことも知らないのかと言われそうで…。何かお坊さんは怖くて…と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなことはありません。わからなくて当然ですから、何でも構いません。ぜひ直接気兼ねなく聞いてください。また葬儀や法事など、ご家族の一大事にお役に立つのは私たちの務めです。いつでもご連絡ください」と住職の猪口氏。法要のためにお寺を利用されることも進んでお引き受けしています。

お墓

墓所はなく、一時的にお骨を預かる預骨を受け付けています。

イベント情報

法話会(毎月第1日曜日または第2日曜日午後1時から)

住職の猪口氏がお話をされるほか、首都圏のお寺よりご住職を招いて法話を聴聞し、住職と門徒の方々がともに学んでいます。法話会の後は茶話会を行い、門徒の皆さまの交流や気軽にご質問いただける場となっています。

勉強会「住蓮寺てらこや」(毎月第3水曜日午後1時から)

奇数月は座学、偶数月はワークショップを行っています。

座学の題材は、皆さんと相談して決めています。まずは、浄土真宗の教えを学ぶ上で基礎となる「正信偈(しょうしんげ)」から始めました。徐々に「歎異抄(たんにしょう)」「御文章」など、皆さんと学びを深めていく予定です。
偶数月は、お香づくりや腕輪念珠づくりなど、レクリエーション的な内容を実施。学び、遊んで楽しみ、そして教えを聴かせていただく場となっています。

寺院情報

寺名(ふりがな) 横浜保土ケ谷布教所 住蓮寺 (よこはまほどがやふきょうじょ じゅうれんじ)
住職 猪口 大悟 (いのくち だいご)
郵便番号 240-0044
住所 神奈川県横浜市保土ケ谷区仏向町44-1
電話番号 045-335-5680
ホームページ https://jurenji.com
交通

《電車》
相鉄線「和田町駅」より徒歩4分

駐車場 1台
地図