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せんのうざん じょうせんじ川應山 浄泉寺

山梨県都留市川茂にある浄泉寺。鐘撞堂の遠くには富士山がそびえ、目の前には桂川、西側には堰堤、川沿いには桜並木が広がる絶景の場所に佇む。隣接する川茂保育園は1963年に前住職が開園し、現在では副住職が園長を務めている。
受け継がれてきた守るべきものを守りながらも、「開かれた寺」を目指し、地域の方に足を運んでもらい、子どもや若い世代に仏の教えを身近に感じてもらえるイベントをたくさん行っているのが特徴だ。
自然豊かな土地で、四季のうつろいを感じながら、宗派問わず、仏教にふれてもらえるコミュニティづくりに積極的に取り組んでいる。

 

歴史

伝承によると、奈良時代の養老年間(717~722)の頃、行基菩薩が甲斐の国に立ち寄られた折、川茂の渡し場に澄みきった湧き水の出るところを見つけ、その近くに薬師堂を建立し、『浄土窪精舎』と命名したことがはじまり。
その後、平安時代の康治二年(1143年)に比叡山延暦寺の天台宗の学僧、光順法師が遊化、寺号を『浄泉寺』と改めた。
後に二十四代目の願正法師が、浄土真宗に改宗し、現在の位置に移転。
明治11年3月28日に村の火災により、本堂、庫裏、太子堂、鐘楼堂のすべてが消失。その後、明治二十六年に現在の本堂が建ち、今に至っている。

住職・副住職インタビュー

■阿弥陀様の願いを聞き、浄土の道を歩んでほしい

川茂龍乗住職:私は富山の寺で男ばかりの3人兄弟の三男坊に生まれました。浄泉寺の長女だった妻とお見合いで出会い、浄泉寺にやってまいりました。ちょうど、31歳の4月にまいりまして、5月には築地本願寺に行きました。築地の職員として2年半ほど財務部に在籍し、3期になるときには、教務所に行こうと思っていたのですが、2年半で終えて浄泉寺の住職としてここにおります。浄土真宗においては戒名を「法名」と呼び、「院号・釋号・法号」で構成します。位号がないのは、「阿弥陀如来のもとでは全員平等」という浄土真宗の教えに基づいているためです。曹洞宗から浄土真宗への改宗で苦労したのは、この教えを皆に伝えることでした。

念仏の教えで、誰でも阿弥陀様から願われている大事な仏の子として、阿弥陀様の願いを聞き受けて仏になっていく道を、浄土に生まれていく道を、自分も歩み、ご門徒様も歩んでほしい、助かっていただきたい、それが私の大切にしている願いでございます。

 

■親への反発心から研究職を経て、仏門の道へ

川茂唯順副住職:私は、子どもの頃からずっと住職にはなりたくないという思いがありました。キリスト教系の大学に進学し、放射線物理学を専攻し、卒業後は約1年、埼玉にある理化学研究所の研究員として仏教とは真逆の世界で生きていました。その後、大阪の高槻市にある、仏教勉学のための専門学校である行信教校に3年間通いました。寮に入らなければいけなかったうえに、仏教にも全く触れてきませんでしたから、本当に嫌でしたが、住職から「騙されたと思って、3日間通って本当に嫌だったら帰ってこい」という約束で行くことにしました。するとそれがすごく面白くて、主席として卒業をするほど、仏教の教えにはまりました。その後は、伝道院に100日間ほど行き、その後2年は、大阪のお寺で法務員として働いていました。2017年の29歳になる年に戻り、保育園について勉強し、2022年の34歳で園長になりました。保育園は1963年に、前住職がはじめました。その想いを受け継いでおります。

 

川茂龍乗住職:親鸞聖人の教えに「ものの逃ぐるを追はへとる」とございまして、阿弥陀様に背を向けて逃げまどっているこの私(もの)を、阿弥陀様がどこまでも追いかけ、抱きとめてくださるはたらきを表したものです息子にも人間に生まれて、仏様に会って、助かってほしいと思っておりました。きっと今はその道を歩んでよかったと思っていることでしょう。

 

■誰でも気軽に足を運べるお寺を目指して

川茂龍乗住職:お寺は亡くなってからのかかわりだと思っておられる方がほとんどですが、生きているうちにこそおいでいただき、大切な方を心ゆくまでご追悼し、ご自身を見つめ直していただきたい。生きているうちにお寺に足を運んでいてよかったなと思っていただけるよう、足を運んでくださる方がもっと増えることを願っています。浄土真宗において法座はとても重要です。現在は4月の永代経、11月の報恩講(現在は10月に開催)の2回を行っていますが、今後は毎月、歎異抄講座や正信偈講座、定例法座も行っていきたいと考えています。

 

川茂唯順副住職:浄泉寺は誰でも気軽に足を運べる、いつでも仏様のお慈悲に触れられるお寺を目指しています。さまざまなイベントに力を入れるのもその理由です。昔からのご門徒様は教えを大事にお寺にお参りされますが、次の世代、次の世代へと代替わりをしていくと、お葬式や法事だけの関係になってしまいがちです。お寺といえばお葬式、法事というイメージを持って欲しくないですし、もっと気軽に来て良いのだということを伝えたくて多岐にわたり活動をしています。そのおかげで、イベントを通じて、本当に地域の人と信頼関係を築くことができていると感じています。

 

現在、寺院計画書として目標を掲げていますが、毎月100人の人が集まって手を合わすお寺を目指したいと思っています。キッズサンガや地域食堂、写経、寺ヨガなど、いろんなイベントを企画し、折に触れ、南無阿弥陀仏と念仏を唱えて、少しでも仏様に触れてもらえる人が毎月100人お越しいただける、そのようなお寺になりたいと思っています。

 

 

 

 

葬儀、法事・法要

葬儀・法要は50人ほどの方が一堂に集っていただけます。本堂以外に他式場等での僧侶のご訪問もさせていただいております。葬儀・法要はご門徒様がご家族を思う大切な場です。大切な人の死の悲しみに立ち会うお葬式は、私自身も真摯な心持ちで取り組んでいます。かけがえのない時間として、大切にお勤めしております。

お墓

一般墓、合同墓があります。他宗教・他宗派も受け入れ可能です。
墓地管理料はなし。永代使用や生前申込、個人申込、お骨の一時お預かりも承ります。ご相談ください。

イベント情報

【寺ヨガ】(寺院へお問い合わせください)

若い方向けの活動として始めたのが「寺ヨガ」。本堂にヨガの先生を呼び、伸び伸びとヨガをする。仏様の前でヨガをするとすごく気持ちよく過ごせると主に30~40代の方から好評。

【写経と茶話会】(毎月第1、第3土曜日)

5分ほど仏様の話をした後1時間ほど写経をし、その後1時間ほど茶話会を実施。忙しい日常から離れ、写経で仏様のお心に触れる、静かな時間を過ごせると、50代~60代の方から好評。

【地域食堂】(寺院へお問い合わせください)

「ふらっと食堂」という名で地域食堂を開催。ふらっと立ち寄れて、来られた方すべての方が対等にフラットな関係を築き、自分はここにいていいんだという思いを持ってご飯をともにする、第3の場所として空間を提供している。

【タイ古式マッサージ】(寺院へお問い合わせください)

ヘッドマッサージを含め、サロン形式で企画。現在は知り合いを通じて行っているが、ゆくゆくはご門徒様にも開放していきたいという思いで取り組んでいる。

【キッズサンガ】(8月第1土曜日)

子どもたちが阿弥陀如来の願いのなかに心をひらき仏様の教えに触れることをきっかけに、年に1回、8月の第1土曜日に「キッズサンガ」を開催。流しそうめんや肝試しなどの企画を行い、予約がすぐに埋まるほどの人気。

【除夜会】(12月)

12月31日に煩悩の数といわれる108回の鐘をつき、自身の煩悩を省みて、如来の慈悲の尊さを味わう。竹ろうそくの幻想的な光景に包まれながら焚き火を囲み焼きマシュマロを楽しむ。

【法座】(4月、11月)

法座は4月の永代経、11月の報恩講(現在は10月に開催)の2回。今後は、毎月、歎異抄法座や正信偈法座、定例法座も行っていきたい。

寺院情報

寺名(ふりがな) 川應山 浄泉寺 (せんのうざん じょうせんじ)
住職 川茂龍乗 かわもりゅうじょう
郵便番号 402-0003
住所 山梨県都留市川茂195
電話番号 0554-43-3321
FAX番号 0554-43-8821
E-Mail josenji.kawamo@gmail.com
ホームページ https://josen-ji.jp/
交通

富士急行線 禾生駅 から徒歩8分、中央道小形山バス停 から徒歩17分

駐車場 20台
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